走死走愛死天流

白くても、黒くても、わたしはわたし。

少女

少女から女へと変わるのはどのタイミングなのだろう。

だれかに恋をして嫉妬の感情を知ったとき?

子宮から血が流れ出たとき?

性を利用したとき?

初めてセックスをしたとき?

だれかから身を焦がすほど自分を求められたいと思ったとき?

わたしはいつの間にか少女を脱ぎ捨て、女になっていた。

嘘みたいに大きく鋭利な棘のある茨が心臓をきつく締め上げているかのような痛みを知ってしまったからだろうか。

恋とは、お砂糖よりも、チョコレートよりも、生クリームをたくさん絞ったケーキよりも、ずっとずっと甘いものであると思っていた。

ある日、ふと "まだ夢を見ているだけの少女だった頃のあたしは" という歌詞を書いた。

それと同時に、もう少女ではいられなくなったのだと悟った。

しかし、何度傷つき、涙を流しても、心のどこかに少女を飼っているような気がしてならない。

女という生き物に羽化したはずのわたしは、未だ飼い慣らせない少女を手放すことができない。

いつまでも鳥肌が立つほどに甘ったるい夢を見ていたい。

甘やかされ、守られ、赦され、かわいいかわいいと頭を撫でられていたい。

そんな少女のわたしを、冷めた目で俯瞰して見ている女のわたしも、いる。

わたしはわたしを看過できない。

いつまでジレンマを抱えながら生きていくのだろう。