走死走愛死天流

白くても、黒くても、わたしはわたし。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「あの娘の曲さ」

どこかのバンドマンが歌うラブソング。 だれかが言う。 「その曲いいじゃん」 バンドマンは答える。 「だろ、あの娘の曲さ」 わたしもなりたいな。 どこかのバンドマンが矢印を向けるその女の子に。 わたしもなりたいな。 あー、わたしもなりたいな。 だれで…

貧しさとは

雨の香りがする。 なんとか用意した六万円を入れた財布代わりのポーチを片手に、外を眺めながら、ふと昔観た映画を思い出していた。 「秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」 実りの秋は過ぎ去り、冬の終わりも近づいた今日この頃。 ま…

潤っていたい

たまごがたくさん詰まった二割引きのカレイをカートに入れ、あれやこれやとスーパーを物色していると、野菜コーナーでキャベツを見ていたおばあちゃんが袋を開けるのに手こずっている場面に遭遇した。 「やりましょうか?」 と声をかけると、申し訳なさそう…